今日も、英語ネタになりますが、よく「セブ島語学研修」なんてのを耳にしたりしませんか?だいぶ前になりますが、お試しで1週間ほど体験したことがありますのでその時のお話をします。実際どうなんだろうか?と思っている人も多いはず、参考にしていただけると幸いです。
参加するきっかけは、生徒に紹介するための事前参加でした。以前勤務していた学校は大学受験において「指定校推薦枠」を大学からいただいており、毎年本番を前に合格が決まる生徒も多々おりました。指定校決定から約5か月近くブランクができます。もちろん、充実した大学生活を送るためにするべきことは沢山ありますが、なかなか集中力が続かない...当然かもしれません。2月以降の計画登校(実際に授業がなくなる期間)中に、海外語学研修等を紹介したらどうか?(あくまで個人の自由参加ですが)と言う話も出ました。紹介する以上、自分も参加すべきではないかと思い立ち、夏休みの期間を利用して(当然、休みもお金も自腹、カミさんに頼み込みました)1週間体験してきました。当時の管理職(K氏と呼びます)も海外交流に興味があるということでどうしても同行したいとの話になり、弥次喜多道中よろしくフィリピンのセブ島に向かいました。以下のその時の様子です。
業者に連絡し、その旨を伝え、短期間で授業の体験・治安などの情報が得られるようにしました。情報の中心は①学習内容 ②治安上の安全 です。
【研修内容】
《授業は?》📚
基本的には通常の参加者と同様にプレイスメントテストを受験しランクに応じた授業に参加します。私たちが実際授業を受けた学校は1つだけですが、内容はだいたい同様と思われます。受講者の年齢層は若い人が中心ですが、子どもから年配者までさまざまで私たちのような受講者がいても特に違和感はありません。ただ、韓国資本の業者が多いので韓国人の受講者が目立ちます。
自分で講座を選択しますが、個人レッスン、3~4人のレッスン、8人程度のレッスンとありますが、おすすめは「個人」です。私も話すのが億劫な方ですから、個人レッスンで何を1時間話すんだ...と思いましたが、すべてのタイプのレッスンを体験しましたが一押しは「個人」です。どうしても他の受講者と一緒だと話下手、引っ込み思案の人は他の受講者に頼るようになりますから。また、朝から夕方まで授業を目一杯詰め込むことは可能ですし、夕食後は料金不要の「TOEIC」「映画」といった講座もありました。スポ根(巨人の星、サインはV?知らない人も多いかな)のしごき、スパルタ訓練にどこか共感を持つ人には最適です。テキストはロングマン、オックスフォードといった欧米のテキストをコピーしたものを販売しておりました(著作権は?と少々心配になりましたが)。私たちのように1週間お試しの人、2か月滞在の人、半年予定の人..さまざまな人が自由に出入りすることから、きちんとした1~10までのカリキュラムは用意されておらず、入ったところから学習する...転校生が授業を受けるような感じです(これも学校によるとは思いますが)。ですから英語の知識は日本で日本語で身につけたほうがコスパは絶対いいです。英語の教員が言うのですから間違いありません。あくまで海外の語学研修で身につけるのは発話力・コミュケーション能力と割り切ったほうが目的意識もはっきりし効果があがるのではないかと思います。
《講師はどんな人?》👩🏫
フィリピンのセブ島ですからフィリピン人の講師が多かったです。また中華系・韓国系の人もいたと思います。フィリピンなまりの英語がきつくないか...と誰もが偏見ではなく思うことです。しかし、フィリピン人講師の質はものすごく高いです。発音も(私が言うのもなんですが)完璧で、教科書のように流れる英語を話します。教え方もうまい!1時間の個人レッスンがあっと言う間に終わります。個人レッスンだとパーソナルな話題にも触れますので、私が英語の教師だとわかるとさまざまなことを本音で語ってくれたりします。フィリピン国内での語学教師の給料は他の職業より高く、ステイタスは高いようです。私たちの勉強した学校では講師に対して10日ごとくらいに教え方等の試験がありランクが上下し、給料も変わるので必死だといっていました。それだけに質が高い...むしろ欧米人の講師(数はあまり多くないですが)の方が、教え方もむらがあり、文法に関しては誤解している(知らない?部分もある)、そんな人も多かったような気がします。講師の教え方を見て私も反省しかりです。
《生活・治安は?》🍝
食事に関しては、「わがまま」を言わなければ、基本的に(土日、祝日は各自だったかな)三食学費に含まれています。フィリピンの安い宿舎ということもあり全体的に脂っこく、韓国系であったことから毎食「キムチ」が出ます。三食ほぼ同じようなものが出されるので1ヶ月も過ごしたら飽きるかな..ともに渡航したK氏は早くも退散し、スーパーで買ってきたパンと果物を食べていたようです。また、学校の近くにはリーゾナブルな韓国料理店がありましたので、K氏と夜は飲んでました。
買い物と関連し、治安は繁華街のど真ん中でしたが、やはり悪かったです。買い物は基本的に週末にまとめて治安が守られているショッピングモールでしました。しかも往復タクシーを使うように言われました(しかもメーターがついているかの確認もして)。外出についてはオリエンテーションの時にも注意を受け、むやみやたらにふらふら散歩しないように、決して、街場を走る乗り合いトラックのようなものは使用しないこと、常に周囲に注意しておくこと、等事細かにアドバイスを受けました。見学した他の学校では、安全に買い物ができるお店が近くにあるということを「売り」にしていたくらいです。数少ない観光に出かけたあとタクシー(メーター付)を利用しましたが、運転手が我々が渡航した目的を伝えると、「観光客は通ってはいけない場所をあえて通って学校に戻ってやる」といって案内しながら学校へ戻りましたが、確かに危険でした。しかも学校に着いてみたら学校の目と鼻の先でした。降りる際、運転手が、前後の道を見渡し「あそこやここが何となく危ないって感じる?」とニヤッとするのには冷や汗が出ました。これも文化の違いで済む?学校のゲートには警備員がしっかりと配置されており、校内入場のチェックも厳重で学校内は治安は守られておりました。
《部屋は?》🚽🛏
個室や相部屋が選べました。私たちは個室を選びました。部屋の清潔さ、トイレ状況は各学校の状況にもよりますので参加前にチェックが必要ですね。バルサンで虫を退治することもあると聞いています。授業以外は部屋で過ごすことになりますから。
【研修の効果はどう?】
一週間の体験で話せるようになるわけではない...と思いましたが、効果は思った以上にあります。確かに周囲に日本人がいない、英語を使うしかない(さまざま国との人との会話は英語が共通語ですから)。いつの間にか英語が出てくるようになります。最初に毎日使うような日常会話、そして英語を話す上で必要な論理表現などがオートで口についてでてくるようになると、少々難しい内容も整理して落ち着いて話すことができるようになります。2か月もいたら結構いけるのでは...と感心した次第です。ともに参加したK氏は英語の実力は準2級程度で、最初は授業のあと顔を合わせるたびに真っ青でしたが、一週間後は出発の待ち合わせに学校の掃除のおじさんと話こんで遅れるくらいまでコミュニケーションがとれるようになっておりました。
また、異文化交流も肌で感じます。4人のレッスンで毎回会う韓国人の会社員(20代後半)の女性と話しましたが、「韓国では格差社会で実力で生きていくためには英語の能力は不可欠で、生き抜くためにここに勉強にきている」「日本人を見ると何となく来ている人も多い。ある意味では羨ましい」と言っておりました。ハングリーです。ガムシャラです。見習おうと思いました。ちなみに彼女のTOEICのスコアは900点を優に超えていました。
結論からすると機会があればぜひ参加してよい損のない研修です。費用も思うより安価ですみます。費用の多くは往復の交通費ですので、泊数が増えてもあまり変りません。できれば長期がいいと思います。ただし現在極端な円安なので...と思いますが。確かに治安は心配ですので事前の安全対策は必要です。教え子たちも参加しましたが、英語だけでなく社会観も一皮むけた感じで帰国しましたので、価値はあると思います。現在、ムック本(またネット)などでこの手の情報は簡単に手に入ります。youtubeでは動画で紹介もしてくれているでしょう。安全な研修で大きな成果をあげることを願っています。
【行く前にしておくべきこと】
やはり、日本でできることはやっておいた方が上達のスピードが違います。最低必要な英語力(文法力)は身に着けて出発しないといけません。英語検定3級(中学校3年レベル)、準二級(高校1年レベル)は欲しいところです。ただ、何となく理解できているレベルではなく、文法構造が理解できているレベルでです。
英語の基礎力についてはまた別の日にお話ししましょう。