おじさんの戯言 猫付き

英語好き、猫好きのおじさんの戯言

「使える英語」を身に付けるための英語教育(3)

前回ブログ、「使える英語」を身に付けるための英語教育(2)の続きです。

 それでは中学校の英語教材はどうでしょう。数十年昔に英語を習った人たちは今の中学校1年生の教材を見てきっと驚かれると思います。私は今でも、中学1年生の英語の教科書のレッスン1、セクション1を覚えています。おそらく1ページに "pen"の絵が一つ載っており、 "a pen"だけだったような気がします。今は、文章で始まっています。しかも、be動詞も、一般動詞もごちゃませでいきなり疑問文や否定文、助動詞まで登場しています。小学校から英語に触れている生徒であること前提としても、無理です。無謀です。ロシア語やアラビア語だったらそんな教科書を中学生に提供しますか?並んでいる文字自体も???前回のお話と同様、なぜ英語だけ特別扱いするのでしょう。しかも今回は、「この程度ならわかるでしょ」的。私は今の中学生がどのように勉強しているか想像がつきます。おそらく、全体として文章の内容を把握して....個々の英文がしっかり理解できないまま内容把握をする...つまり知っている単語を並べて頭の中で彼らなりの「蓋然性」で意味をとり、先生方から提示される視覚教材等の助けを借りて理解したと誤解したまま先へ進むのです。英文自体はりかいできていないのに。時々、英会話をしながら。確かに、昔の生徒と違い、英問英答の反応は各段によくなっていますし、何かについて発話しようとする姿勢は隔世の感があります。ただ、自分の使っている英語の構造があやふやのまま、消化不良まま先に進んでいいはずがありません。言語は前の時間の内容を基礎にして次のレッスンが始まるのです。「英語シャワー」的な教育方法も有効ですが、あくまで中学校で習得すべき「土台」が固まったあと、できたら高校1年生の「コミュニケーションⅠ」の内容が完全に出来上がったあとでいいのでは思います。よく昔から「言語はネイティブの人が言語を学ぶように...」と言われてきましたが、ネイティブは英語だけの環境に身を何年置いて英語を話すようになったのでしょうか?考えればすぐにわかることだと思いますが、不思議です。現在置かれている児童・生徒の物理的な状況・社会環境を考慮してコスパ、タイパに見合った勉強方法を推進すべきです。中学での「土台」も構築できないまま高校に入学するから、突然「不思議の国のアリス」になって落ちこぼれていくのです。中学校では身近な話題についての理解や説明が主なコンテンツだったのに、高校では抽象的な話題を論理だった展開で理解する必要となるコンテンツになる。覚える内容は中学校の英語の土台「10」に対して、高校の英語はその土台を元にさらに発展した「100」の内容。中学校で英語の不得意者が増え、高校では英語嫌いは増えるのは当然です。

 ここで強調したいのは、中学校では英語は「量」ではなく「質」だということです。昔なつかしいパターンプラクティスのドリルです。文(の構造)をしっかり理解し(中学レベルですから文法といってもわずかです)、ひとすら「千本ノック」のドリルです。中学での英語の「土台」は大切です。いくら強調してもしすぎることはありません。その証拠に、高校入学後にサボって偏差値は急降下、高校3年生で愕然として巻き返しを図る、そんな生徒は沢山いますが、それでも、中学校の土台ができている生徒は飛躍的に伸びるのです。※大学受験に間に合わないと思っていた生徒の成績が急に伸びるのはこのような場合です。

 このブログを読まれている方で、英語の不得意な中学生のお子様がいるなら次のことを試してみてください。書店へ行って文法中心の参考書(問題集はあとです)を買ってお子様にやらしてみてください。そんなに厚くなくていいのです。(ただ、全く英語を知らない人でも内容が理解できるもの)3か月も経てば、英語がわかる、そして好きになっているはずです。

 中学での「土台」は構造物の枠組みですが、高校においてはその枠組みにコンクリートを流し込みます。その上には高層建築でも、城郭でも、シンデレラ城だって立てることができるのです。

 次回ブログでは「使える英語」を身に付けるための英語教育(3)として「土台」にコンクリートを流し込む、高層建築、城郭でも、シンデレラ城の建築につながる高校での英語教育についてお話をさせてください。