おじさんの戯言 猫付き

英語好き、猫好きのおじさんの戯言

Kさんについて(3)最終回

「Kさんについて」の3回目です。このエピソードの今回が最終回です。

 雨の日も、風の日も、嵐の日でも、まさに雪の日も、Kさんは職員室に通い続けます。そんなKさんにも変化が見え始めます。授業が理解できるようになったというのです。担当の先生からも、積極的な姿勢が見られるようになったと報告を受けました。その先生の話では、教室に行くとKさんが、私が毎回渡している反故紙の裏に書いてある説明をリングに綴じて毎回見返しているとのことでした。本人に話をすると、確かに鞄の中から200枚近くになった束が出てきて、「どこを聞かれても分かります」とのこと。確かに私の説明していることと、以前に説明したことを結び付けて、「ではこういうことですか?」と立体的に文法を考えることができるようになりました定期テストでも「普通に」平均点を超えるようになったのです。

 あとは、実力...模擬テストで結果が出ればと思っていました。10月の中旬からすでに3か月半、2月の声も聞こえる時期に大手予備校の記述模試が実施されました。

 3月のある日、Kさんが職員室へ息を切らせながら模擬試験の結果を持ってきました。なんと偏差値は「65近く」、英語の席次は280人中26位でした。文字通り、飛び上がって喜びました。わたしも飛び上がって喜びたい気分でした。

 その後もKさんの日参が続きます。ただ、3年生を迎えたある日「先生、ようやく質問することもなくなりました。毎日は来ないと思います。でもわからなくなったらまた来ます」と挨拶に来てくれた律儀なKさん。それからは私の方で「ちょっと時間が欲しい」という数倍パワーアップした問題をもってくるようになりました。

 その後、Kさんは自分なりの教材、勉強方法を工夫しながら学習を続け英語に関しては学年のトップクラスを走り続け、大学でも英語に関連する学部に進み、大学でもトップクラスを維持、あらゆることにチャレンジし、学会でも発表、「学長賞」をもらって卒業しました。現在、TOEICは900点越え、英検準1級の取得、現在1級に向けて頑張っています。私の誇りの教え子の1人です。

 教育は、樹形図です。Kさんが家族を持ったとき、その努力の大切さを自分の子どもに、そしてその孫にと、樹の枝が次々と繋がるように伝えていってくれたら最高です。

 私は、今でも現在の教え子たちにこのエピソードを話します。「努力は裏切らない」、少なくても英語学習については。Kさんのように個人指導に近い形の指導はしたことはありませんが、確かにこれまで、100人中100人、努力した教え子たちは実力をつけています

 また、Kさんは、短期集中、中央突破の大切さを教えてくれています。量的に少ない教材も完璧にこなせば成果は出るのです。Kさんがそれを実証してくれました。英語学習で悩んでいる皆さん、Kさんに続いてください。何か新しい世界が、皆さんの前に広がっていくはずです。