おじさんの戯言 猫付き

英語好き、猫好きのおじさんの戯言

熊の殺処分

本日は、動物愛護と熊の出没・殺処分についてのお話。

 先日、秋田のスーパーで熊が出没、店員にけがをさせたあと敷地内に潜伏、ようやく捕獲されたあと殺処分となりました。この件に関して秋田市には苦情が約70件寄せられたとのこと。8割は県外からのもの。苦情の主な内容は「動物愛護」の視点からですが、私には理解ができません。今の世の中、誰かを責めていないと気がすまないのでしょうか。「動物愛護」と言えば、相手は正面切って反論することはできません。それを承知で攻め立てるのです。他人を攻め立てて偉くなった気分なのでしょうか。ちょうど「お客様は神様です」をモットーにしている客商売にしている人に対して土下座を要求し悦に入っている「カスハラ」と変わりません。

 現在はSNSを始め、通信手段の発達により、誰でも情報発信ができます。しかも匿名で。中には、ただ好き勝手に憂さ晴らしのように機器を利用して意見を垂れ流す人も出てきます。

 今回の「熊殺処分」についても客観的事実をまず確認しましょう。以下は平成23年度の熊による人的被害のデータです。

日本クマネットワーク シンポジウム 2023年度のクマ大量出没と人身被害報告書

 佐藤喜和氏 冒頭の挨拶文より引用

 (前略)...2023 年は、北海道と東北を中心にクマ類大量出没と人身被害が多発し、全国的に大きな話題となった。環境省による速報では、2023年4月から12月までのツキノワグマの出没件数は記録のある2009年以降の同時期で最多となり、特に10月の出没が突出して多かった。このうち約4割が岩手県秋田県の2県で発生しており、約2割もその他の東北地方で発生した。全国でクマ類による人身被害は197件発生し、被害者218名のうち、6名が死亡しており、月別統計のある2006年以降最多...(後略)

 この実態があっても「動物愛護」を盾に苦情を申したてるのでしょうか。牙の部分だけが目的でサイを殺している密猟者ではないのです。そうしないと人間の命が危ないから殺処分としたのです。

 また、今回の処分を攻め立てている人にお聞きしたい。我々は日々、熊だけでなく毎日数えきれないほどの動物を殺して「肉」を食しています。それについてはどう考えているのでしょう。人間はその意味で罪深い存在だといえます。だから、私たちはいつも手を合わせて「いただきます」と感謝しながら食さなくてはいけない...と聞いた覚えがあります。「動物愛護」を訴えている人は日々肉を食していないでしょうか。見えない「屠殺」ならいいのでしょうか。極端に言えば、魚だって生き物です。魚も食べていませんか。また、同じ生き物である「ゴキブリ」や「ネズミ」、「蛇」はどうでしょう?自分の家に見つけたら「動物愛護」しますか?できなのなら、口出しをすべきではないのです。

 もし、本当に不幸と思うなら、人間界と自然の生き物の棲み分けがどうしたらいいのか、アイデアを出してあげるべきです。そうしてこそ、建設的な議論ができるというものです。無責任な意見を垂れ流すのをやめましょう。