本日は、学校の部活動の地域移行のお話。
最近、「教員の働き方改革」「教員の負担軽減」などから部活動の地域移行の話題がよく出てきます。皆さんはどう思いますか?
ベネッセ教育情報(ベネッセ教育総合研究所)の記事ででメリット・デメリットをあげています。

教員側からすれば(一部を除いて)「地域が面倒みてくれれば助かる」保護者からすると「先生方の負担軽減につながるのは苦しゅうないが、自分たちの負担が増えるのはごめんだ」が本音でしょうか。実施された場合の課題はそれよりもっと奥が深いような気がします。
文部科学省でも「部活動の地域移行」に関してガイドラインを出しています。(スポーツですが)
っこのガイドラインには地域の実態に応じて柔軟に対応できるように指示が出されていますし、実際に実施されている具体例も示されています。
また、部活動指導員や外部指導者といった定義もきちんとあるのですね。
部活動指導員とは?外部指導者との違いや資格を得るための方法を解説 | 東京スポーツ・レクリエーション専門学校
「部活動地域移行」の外堀が埋まっていますが、肝心要の「指導者の適性」や「責任の所在」に対してがどうもあいまいな感じがします。施設に関しては学校の施設もあるし、公共の施設もある...ケガなどに関しても今は保険が充実しているのでカバーできる感じがします。ただ、指導者自体についてはどこまで検討がすすんでいるのでしょうか。
ある程度までの技術はあったとしましょう。でも、それだけで子供たちを任せていいのですか?もちろん、町内の運動会や催しもの、お祭りだとか、一過性のものは問題ないと思いますが、部活動です。年単位での指導です。学校でさえ、パワハラ・セクハラ案件が毎日のように発覚しています。ただ、教育委員会の管理下にいる教員なら責任の所在がはっきりしているので、まだクレームをもっていける(場所がある)。地域に移行したら問題が起こった時、誰がどんなふうに責任を持つのですか?まさか、保護者が個々に指導者とやりあう?ありえないでしょ。地域で責任持つ?ありえないでしょ。セクハラなら覚悟を決めて、警察に相談することもできると思いますが、それ以外は誰も相談になんて乗ってくれません。それなりの人格や人間性が要求されるのです。だからこそ、教員が担当してきたのです。
逆に熱心すぎる場合も想定されます。今でさえ、保護者から朝早くから夜遅くまで部活動で本人の身体が心配だ、と担任に相談してくることだって珍しくないのです(体育系だけではありません)。熱心なあまり、学校生活を無視した部活動も考えられます。
競技、活動の内容によっては学校も地域ごとにまたがります。それも部活動によって、A-B-C-Dの連携、A-B-X-Zの連携、B-C-M-Nの連携とバラバラの連携を同時に実施することになります。現在、各学校ごと特色を出すようになっていますから、学校行事の内容も、時期も異なる。それを誰が調整するのですか?もしかしたら、その調整に学校はさらに仕事が増える可能性もあります。本末転倒です。「それでは教員の負担の軽減ばかりで、生徒の教育が一番大切ではないのか」と言われそうですが、元来「部活動」は課外活動で、正直教員のボランティアに頼っているのです。土日の部活動の面倒を見ていくら「特別勤務手当」が出ているか知っていますか?手当ての引き上げが行われていますが一般のアルバイトに比べても安すぎます。正直、自分の専門外であったらやってられません。生徒の教育はそんなに大切なら、家庭連合体がその仕事を負担しますか?となりますが、さらに現実不可能です。
一番の課題は、繰り返しになりますが「指導者」。全くの私見ですが、教育委員会の管理下、いわゆる「教員」の位置づけであらたな職種、「クラブ担当職」を設けられないでしょうか?現在の教員の中にも教科指導より「クラブ活動(体育系・文化系ともに)」にものすごい力を発揮する人がいます。私の周りにもそれを公言する人もいます。そういった(学校の動きがわかる)教員を中心に全体の地域移行のプロジェクトチームを立ちあげ調整すれば、少なくても予想される「指導者の適性」「責任の所在」はある程度解消されるのでは?と思うのですが。すでに移行を始めている自治体もあるようですが、「指導者」の課題をクリアせずに開始してはとんでもないことになります。起こる混乱は、無理に導入を決めた「マイナカード」以上だと思います。確かにプロジェクトによってはグダグダと理屈をこねているだけでは前に進まない、「走りながら考える」タイプのものもありますが、部活動の地域移行に関しては石橋が壊れるくらい叩いてもいいのではと考えます。
私が保護者なら今のままでは心配で参加させられません。そんなにやりたければ「スポーツセンター」や「音楽教室」など通わせます。安心料です。でも実際、そんなお金に余裕がある家庭はほんの一部です。
現在、「教育の無償化」が国会でも論議されていますが、「部活動の地域移行」に関しての方が先ではないかと思います。ましてや、「私立に関しても無償化」なんてことも出ています。優先順位を見誤ってはいけないと思います。
「部活動担当の専門職」の設置、無理でしょうか?😉