本日は、NHKスペシャルドラマの司馬遼太郎原作の『坂の上の雲』のお話。
(NHK オンデマンドHPより)
『坂の上の雲』は防衛大学校での必読書と聞いたことがあります。原作は歴史小説家で著名な司馬遼太郎。私が読んだのは文庫本で8冊、読んだのはもうだいぶ前、それなりに感動したのを覚えています。NHKオンデマンドのドラマを検索していたら偶然出てきたので今回視聴してみました。全13回です。一本が90分ですので結構みでがあります。とても感銘深いドラマでした。小説を読んだとき以上の感動がありました。もしかしたら、読んだのが数十年前...いろいろな経験を踏まえた上での『坂の上の雲』だったから、よけい私に「刺さった」のかもしれません。
話は、明治維新直後の松山出身の青雲の志をもった3人の若者、(のちに日露戦争で活躍する)秋山好古、真之兄弟、(日本の俳句の中興の祖となる)正岡子規の生き方を中心に話は進みます。3人が3人とも自分の道を悩み苦しみながらまっすぐ雲に向かって進んでいきます。スーパーヒーローではないんです。成し遂げたことはスーパーヒーローなんですが、3人の生きることへの苦しみは、我々凡夫の苦しみと変わりません。でも、その苦しみを最後まで逃げることなく向き合い昇華させたことがスーパーなのです。秋山好古はロシアの最強コサック騎兵を破ります。真之はロシアのバルチック艦隊に完勝します。そして正岡子規は俳句を同時代に蘇らせます。また、3人をとりまく周囲のわき役たちも、それぞれの立場で同様に苦しみながら、頑張って生きようと前のめりに進んでいきます。現在の平和で多くの場合満たされている現代社会に生きる私たちを叱咤激励してくれているような気がします。
この物語は急速な文明開化を進める日本が日露戦争に突入し如何に戦い抜いたか、という単なる戦記ものでもなければ、戦争賛歌のお話でもありません。戦争とは何か、人間とは何か、愛情と友情、生と死、あらゆる人間の根源的な課題を考えさせてくれる、ある意味では哲学的な人間賛歌の物語です。3人の中で一番年上の秋山好古は繰り返しドラマの中で「単純明快」が大切だと説きます。その「潔さ」は日本古来の『武士道』に通ずるものがあるのかもしれません。以前、投稿した際『真田幸村』の生き方にあこがれると書きましたが、同様の憧れを感じます。当然、私自身できるはずがないから「憧れ」るのです。
歴史はず~っと繰り返します。科学技術が現代のように進歩しても、『坂の上の雲』から学べることは沢山あるのではないかと思います。小説が苦手な人も、ドラマなら...と言う人もいると思います。是非、一度ご視聴を。特に若い人にはお薦めします。
原作を久しぶりに読み返してみようかな、と思っている「おじさん」です。また、近くには、日本海大海戦ので活躍した旗艦『三笠』(秋山真之が乗艦していた戦艦)もあります。先ほど、散歩がてら寄ってみたらさすがゴールデンウイーク、結構を込み合っている感じ...ゆっくり見学できる雰囲気ではなさそう...またの機会にゆっくり訪問し、レポートしますね。