本日は、嬉しいご報告をさせてください。
「高齢者による」英語教育のささやかな実践報告です。(いや、自慢話です🙂↕️)
定年退職後、非常勤講師で高校の英語の教師をしています。「非常勤」ですので、同じ学校でいつも教えられるわけではありません。また、教える生徒のレベルもさまざまです。ただ、高校の場合は良くも悪くも「輪切り」されていることが多いので、一つの学校での英語のレベルはだいたい均一で対応しやすいのは助かります。
ここ数年続けて教鞭をとっているある学校の生徒は「みんな英語が苦手」です。私の場合、2年目でだいたい当該の学校の生徒の雰囲気と英語力を把握できます。「みんな英語が苦手」の原因は...やはり「基礎」がわかっていないのが原因でした。英語の授業を楽しく...は誰でも思うこと...私も40年以上も教壇に立ってきたわけですから理解できます。でも、長期的な勉強をさせる...真の意味での向学心を起こさせるのは「楽しさ」ではありません。「わかる喜び」です。テレビゲームでそれなりのチャレンジ性がないと長続きしないのと同じです。「わかる喜び」の出発点は?
以前の投稿でもお話しました通り、できなければ「0」に戻るしかないのです。だからといって、勝手に授業プランを作って実行するわけにいきません。非常勤講師の最低のマナーは①休まない②授業の進度は絶対守る③(アドバイスを求められる場合を除いて)学校の方針には口を出さない、ですから。結局、毎時間最初の10分程度使って中学校1年生からの復習を入れるようにしました。それも基本の基本、主語+動詞の構造、be 動詞と一般動詞の区別、現在形と過去形、そして疑問文と否定文だけです。週2時間しかない英語の授業の冒頭で繰り返し説明し、パターンプラクティスを繰り返しました。
3か月ほど経ちましたが、効果が見えてきました😉教科書の英文と板書をただ写すのではなく英文を本当に理解しようとする生徒たちが出てきたのです。"be famous for A"「Aで有名だ」の熟語の「be」の意味が分かり始めたのです。それじゃあ、主語が「I」なら "I am famous for ...”となるわけ?先日、英語がチンプンカンプンだった男子生徒が、「これであっているだろうか?」と英文を持ってきました。"Did you meet Mike yesterday?"(一部改作)確かにあっているというと「生まれて初めて自分で作った英語だ~」と友達に自慢していました。また、be動詞と一般動詞は一緒に並ばない...としつこく教えているので、ある女子生徒が教科書に載っている "She was making lace".の英文を持ってきて、「並んでいるのはなぜなのか?」真剣な顔をして聞くわけです。当然、「だからこそ、wasのあとはmakeではなくてmakingにしているのだ...進行形っていうんだ」「それじゃあwasをisにすると現在進行形?」と応用していくのです。見るとテスト対策用に渡したプリントにマーカーやボールペンでびっしり何か書き込んである...彼女は「やば~(若い子は「すばらしい、すごい」の意味で使いますね。ハイ)」といって「少し勉強わかってきた...」といって頬を紅潮させていました。その時の私の喜び、わかりますか?さらに彼女は続けます...「eat lunch」も「have lucnch」も同じ?あのね日本語でも「昼食を食べる、とる」っていくつも言い方があるでしょ?また「やば~」です。
私は「高齢者」なので、教えている生徒全員がこんな風に勉強に目覚める...なんて幻想はもちません。ただ、一人でも二人でも「わかる」の喜びを知ってもらえただけでも本当に嬉しいです。
それだけに口惜しいことがあります。今の中学校では、『基本の基本、主語+動詞の構造、be 動詞と一般動詞の区別、現在形と過去形、そして疑問文と否定文』を叩き込むことはしません...いきなり会話で始まり、be動詞と一般動詞の区別さえしっかりとさせません。「Communicative」です。「できる子」はいいんです。ほとんど80%は「できない子」であることを認識してほしい。中学校入学後、1か月でいい...それだけ愚直に繰り返し教えたら...そこから「時制」も「助動詞」も「不定詞」も発展させられのに...今のように「英語難民」をつくらなくて済むのに...
私は文部科学省のお役人でも官僚でもありません。どうすることもできません。『おじさんの戯言』にすぎないのです。でも、毎年一人でも「わかる喜び」を見出してくれる生徒が出てくれることを期待して頑張りたいです。背中を後押ししてくれる生徒たちに感謝です。
