本日は、前回の暗い『未来予想図』の中国編。
中華人民共和国...一党独裁の資本主義国です。歴史上、共産主義国ですが、現状は資本主義国です。固定資産などの私有財産を許した段階でやはり資本主義の仲間入りをしたと考えられます。「毛沢東」時代のイメージが強い世代には、人民服を着た中国人...が当たり前...それがいつの間にか、まばゆいまでに光り輝く上海の風景を見て驚いたものです。
そして、現代...政治・経済・軍事で最も影響力のある大国の一つにになりました。歴史学的には間違いかもしれませんが、現在の「一路一帯」政策を見ていると、明代の永楽帝時代の鄭和を長とした大艦隊派遣を思い出してしまいます。ただ、内容を見ていると以前の「朝貢」というより「支配」に近い政策に感じます。14億強の人口を養っていく..一方で出生数が7年間で半分という「少子高齢化」...それを見据えた政策なんだと思います。もしかしたら、日本よりも先を見据えた動きをしているとも言えます。
そしてそんな中国、『台湾有事』も世界を巻き込んだ関心事となっています。今は、イランに世界中の視線が集まっているので目立ちませんが、これが落ち着くと「台湾」?って感じがします。いや、今だからこそ「台湾侵攻」?などとまことしやかにささやかれています。「台湾」は、第二次世界大戦後、内戦に敗れた中国共産党に敗れた蒋介石率いる国民党が作った「国」といった単純なイメージしかほとんどの人はもっていません。
そんな単純ではありません。もう一度、台湾の歴史を見てみましょう。国民党(内戦で敗れる前)は日本支配から解放された「台湾」に支配者(外省人)としてやってきます。元々台湾に住んでいた人(本省人)は国民党政府の腐敗に抗議したことに国民党政権が武力鎮圧、その結果、数万人規模の本省人エリート層(知識人・地方リーダー・社会の指導層)が粛清されます(二・二八事件(1947))。さらに内戦で敗れ、大陸を失った国民党による本格的台湾支配がはじまります。白色テロ時代(1949〜1980年代)と言われる時代です。長期の戒厳令体制に入ります。言論統制が敷かれ、秘密警察による反体制派(多くは本省人)が弾圧されます。外省人が政治・軍・行政を独占し、本省人の不満が蓄積していきます。しかし、1987年、戒厳令解除 され民主化へと向かいます。ここで対立が一気に「政治争点」になります。
●象徴的な対立
外省人系 (国民党系)→ 「中国とのつながり重視」
本省人系 → 「台湾アイデンティティ重視」
そして民主進歩党(本省人支持が中心)が政治の舞台に躍り出ます。2000年、ついに
民主進歩党が政権奪取、外省人中心だった体制が崩れることになるのです。現在では通婚が進み、外省人vs本省人というより「中国と対話・安定重視」(国民党)vs「台湾主体・距離を取る」(民進党)になっています。元々、内戦に敗れただけの国民党からすれば、中国であることは変わらない...と考えるでしょう。だから、国民党党首が中国を訪問するのです。一方、民進党は「台湾」としてのアイデンティティを訴えるわけです。世界的に見ても「一つの中国」原則(One China Principle)、つまり中国(中華人民共和国)側の「世界には一つの中国しかなく、台湾はその不可分の一部である」とする立場が優勢です。
※1971年:国連総会決議2758号国連で中華人民共和国が「中国の唯一の合法政府」として承認され、台湾(中華民国)は代表権を失う。この解釈を巡り、中国側は「台湾を含む全体が中国」と主張してきました。日中共同声明(1972)、米中共同コミュニケ(1979)などで米国・日本も態度表現には微妙な違いがあるものの「一つの中国」を認識を示しています。
このような歴史があって、今があります。そして、「台湾有事」は可能性は高いか、低いか...私は個人的は武力を用いた「台湾侵攻」の可能性は低いと考えています。世界中で戦争、紛争が勃発している中で、世論は味方しないでしょう。また中国は内政問題、少子高齢化、経済停滞、地方と都市部の格差、そして有事になった際のチベットやウイグル自治区の反乱の危険性、等と考慮すると、軍事侵攻は厳しいかなという感じはします。戦費や人的損害も考慮に当然入ってきます。一番の可能性は、戦争未満の圧力(グレーゾーン戦略ー軍用機の接近・サイバー攻撃・情報戦)、経済的取り込み(貿易依存・台湾企業の中国進出)、内的なとりこみ(対話重視勢力(国民党など)との関係強化・世論工作)といった形で外堀から埋め、気がついたら「ほぼ中国」の形態をとるのではないか...と思います。いわゆる「戦わずして勝つ」という孫子の兵法ですね。申し訳ないけれど、周辺国としても取返しのつかない「熱い戦争」は避けてもらいたい...というのが本音では...ただ、感情的な統一については「香港」の統合の時の嫌なニュースもまだ生々しく残っているので...

ただ、中国は「面子」を重視する国です。習近平は自分の時代に...という焦りもあるでしょう...予断を許さない状態です。中国国内での統制がどのように機能しているのか、していないのか...一番怖いのは「偶発的事件」ですね。
最近では、何が起こってもおかしくない状態です。国際情勢は言葉通り、「日々」、動いています。「じーさん」も「じーさん」なりに考えます。若い人たちには、もっともっと勉強して「正しい判断」をしてもらいたいです。
「じいさんの戯言」でした🥸