本日は「防犯カメラ」のお話。
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いや~、これほど防犯カメラが犯罪のスピード解決に活躍するなんて...ただビックリです。最近、駅での暴行傷害事件などで「防犯カメラ」が決め手となることも報道されています。現在どのくらいの防犯カメラが設置されているのかネットで調べてみました。デジタルマックスジャパンという民間の防犯関連の企業が資料を出しています。
以下は、その資料のエッセンスです。
それによると世界での設置台数は以下の通りになります。
1位中国、2位アメリカ、3位にロシアと続き、日本はドイツやイギリスと並んでトップ5にランクインしています。人口比率(1000人当たりの設置台数)で比較するとアメリカ152.8台、イギリス75.2台、ドイツ62.7台に対し、日本は39.5台と大きな開きがでています。
都市別では、1000人当たりのカメラ台数のランキングトップ10の内は中国の主要8都市が占め、ロンドン(イギリス)68.4台、アトランタ(アメリカ)15.5台と続きます。日本の都市では、大阪が1.5台で70位、東京が1.06台で77位。
これらのデータから見ると、世界と比べ、日本の防犯カメラの設置台数は決して多いとは言えないでしょう。全国の警察が2019年に逮捕などによる検挙した刑法犯の内、職務質問(16.5%)に次いで、防犯カメラ映像が容疑者特定に繋がったのは(10.2%)となっており、犯罪捜査の過程で犯人逮捕に貢献するケースが増えています。
警視庁の発表によると街頭での犯罪認知件数は2002年をピークに年々右肩下がりに減少しております。都内の複数の繁華街の防犯対策の一環として、「街頭防犯カメラシステム」が導入され始めたのが、この時期と重なります。
住宅侵入による窃盗犯に対し、どのような事があったら侵入をあきらめるか、という調査結果があります。
これによるとおよそ2割の窃盗犯は防犯カメラが設置されていると諦める、と回答しました。成田市の「防犯に関するアンケート」(2019年5月実施)によると、
「防犯対策として何が重要で又は犯罪抑止効果があると考えているか」という質問に対して、
66.5%の方が「防犯カメラの設置」と回答しています。また、「駅や道路・公園などに防犯カメラが設置されるとどう感じるか」という質問に対し、
「犯罪抑止効果が期待でき、防犯上安心できる」80.1%、
「犯罪が起きた際の犯人検挙に役立つ」78.2%、
「プライバシーが気になる」が11.7%、
「監視されているようで嫌だ」が7.3%になります。
有事の際の証拠よりも抑止効果を期待する人の方が多いのは少し驚きです。
全国監視カメラだらけ?どれくらい多いか調べてみました。│DMJメディア セキュリティマガジン
あくまで業者の資料ですから、「防犯カメラ」設置推進の立場からの見解ですが、私個人としては残念ながら、「もっと設置しろ~」に賛成せざるを得ません。監視社会を望む人は誰もいません。ただ、現代のように「闇バイト」ルートの押し込み強盗(数年前では考えられない犯罪)、無人店での窃盗の横行、今回ようような無差別殺人、身勝手な理由による暴行、殺人、放火など重い犯罪を始め、SNSで閲覧数を稼ぐために平気で馬鹿なことをする能天気な迷惑行為に至るまで「こんなことをすると、捕まるぞ!」と抑止しない限り、大多数の人間は安心して暮らせません。残念ながら、現代において人間「性善説」は通じないのかもしれません。英語の教材でも、以前、外国人にとっても7不思議に店舗の外に店員もいないのに平気で陳列している...しかもそれを盗ろうとする者もいない...というのがありました。「性善説」が現実に成り立っていたし、日本国民もそれを誇りにしていたのです。もう、無理ですね。周囲を見回してみればよい。もちろん、ほとんどの日本人は実践していると思いますが、100人に3人でも、人の目がなければ「いいじゃない?」と言い出したら、無理です。だから、無理です。
ただ、「防犯カメラ」に関しての基本的な懸念は残ると思います。現代のテクノロジーをもってすれば、夜の公園でイチャイチャしているカップルの行為は横においといて、すべての「防犯カメラ」の画像が「ビッグデータ」となりもっと大きな悪事に利用されかねない...ということです。ましてや、現在のSNSの動向を考慮すると何が起きるのか、ぞっとします。イギリスの作家に「1984」を書いた恐怖の管理社会をジョージオーウェルをふと思い出しました。考えすぎですかね。
明日強盗の被害者にならないために「防犯カメラ」をあらゆるところに設置するか、もっと先を見据えて今ぐらいがちょうどいいのか?究極の選択のような気がします。