本日は、「予備校」と「学校」のお話。
受験本番を控え、多くの生徒が予備校に通っています。授業中に予備校のテキストで内職をしていて注意することもあります。「予備校で学習する英語は大学受験に出る」、「学校で習う英語は役に立たない」と思うのでしょう。私は英語教師ですから、少なくても生徒たちより英語についてわかっているつもりです。予備校の英語も学校の英語も変わりません。100%同じです。それではなぜ違って見えるのでしょう。
「予備校で学習する英語は大学受験に出る」はあながち誤りではありません。例えば、学習すべき1000の項目があったとします。学校では基本は1000全部教えます。予備校ではその中で受験に出題される100だけを重点的に教えます。ですから、予備校で教える英語は100/100で100%出題されることになります。一方、学校の方は100/1000ですから10%しか出題されないことになります。「なんか無駄...」と生徒は思うのです。ただ、テストに出題されない残りの90%はわかって当然の「基本のキ」の内容です。そこの部分を外して「英語」は存在しないのです。「試験に出るところだけ」で英文は読めません。学校では、1から始めて1000まで教えるので、時間がかかるのです。タイパの問題ではありません。
実は、社会人の英語にも同様なことが言えます。『出るとこだけ』勉強はダメなんです。社会人はTOEICのスコアで給料が変わったりするので命がけです。卒業生から『TOEICに出る』式の参考書何回やってもどうしてもスコアが伸びない...そんな相談を受けました。高校レベルの文法事項(残りの90%)をもう一度復習してごらん、とアドバイスをすると、いきなり150点スコアがあがったのです。基礎は大切なのです。
生徒の皆さん、学校の授業を大切にしましょう。毎年、授業に最後まで食らいついてきた生徒が合格を勝ち取っている割合が高いと思います。
それでは、予備校は不要なのか?予備校に行かなくて志望校に合格できるのか?と言われそうです。それについては次回のブログで。